更新日:2023/01/24
生命保険の死亡保険金は”事故死”でもおりるの?ズバリ解説!
交通事故などの事故死で、生命保険がおりるのか知っていますか?ここでは生命保険の事故死での保険金の有無や病死との保険金額の比較、保険会社の対応基準を記述し、生命保険の加入者が万が一の死亡により、保険金について再度確認ができるように、免責事項も加えて説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
生命保険は事故死でも保険金はおりるの?
加入契約者(被保険者)が事故死の場合でも、受取人(遺族)に保険金は下りますが、どのようなケースでも一律にお金が下りるわけではありません。また、事故死か病死かでも保険金の名称・金額は異なる場合があります。
そのため、保険事故が起きた場合、受取人へ保険金が支払われなかったり、予想していた保険金よりも低い金額しか下りなかったりしたら非常に困りますよね。
そこで、この記事では「事故死で支払われる生命保険の保険金」について、
- 生命保険の死亡保障における、事故死と病死との保険金額の違い
- 生命保険の保険金が支払対象外となる場合
- その他の保険では事故死へどう対応しているのか
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、生命保険にて事故死の場合に保険金が下りる条件等を知ることに役立つかと思います。
保険やお金についてのお悩みをお持ちの方は是非利用されてみてはいかがでしょうか?
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事故死の場合、災害死亡保険金が支払われる
なお、死亡の場合には災害死亡保険金、高度障害状態になった場合には災害高度障害保険金、と分けている保険会社がほとんどです。
災害死亡保険金は、最初から生命保険(死亡保険)に設定されている場合もあれば、特約として付加できる場合もあります。
生命保険の死亡保障は、事故死と病死で保険金額が異なる
つまり、通常の死亡保険金には病死の他、事故死もその保障範囲内であり、下りる保険金額は同額ということになります。
しかし、死亡保障では病死よりも事故死の場合に、受け取る保険金額が多くなることもあります。これは災害死亡保険金特約等を保険契約時に付加したことで、事故が原因となるケースに限定して、保険金額が上乗せされたためです。
なお、生命保険の中には、交通事故や、その他の事故で死傷した場合に分けて、死亡保障金額を設定している商品もあります。
事故死は災害死亡保険金として金額が上乗せされる
そのため、同じ生命保険であっても、病気死亡なら1,000万円、事故の場合なら2,000万円と、下りる保険金に大きな差が出ます。
ただし、保険金の下りる要件は通常の死亡保険金よりも厳しく制限されます。その支払対象外となる内容については後述します。
保険会社の事故死と病死の判断基準とは?
保険会社の事故死またはそれ以外の死因の判断基準は次の通りです。
事故死として災害死亡保険金を受け取る場合
事故死として災害死亡保険金の対象となるには、「不慮の事故」による死亡に該当しなければなりません。この不慮の事故とは①「急激」で②「偶発」的な③「外来」の事故を指します。①+②+③の1つでも欠けた場合には不慮の事故に該当しません。
①急激:傷害の原因となった事故から傷害の発生までに時間的な間隔がないことです。慢性・反復性・持続性の強いものは該当しません。
②偶発:傷害の原因となった事故から傷害の発生が、被保険者にとって予見できないことを指します。
③外来:傷害の原因が被保険者の身体の外部から作用することを言います。
通常の死亡保険金を受け取る場合
病死等も当然含まれますが、死亡保険金の判断基準には病死に関しての明確な区別も基準もなく、次のようなケースに当てはまると、どの保険会社でも保険金は支払いできない旨が明示されています。
- 責任開始日から3年以内に被保険者が自殺した場合
- 契約者または死亡保険金受取人の故意で死亡が引き起こされた場合
- 戦争その他の変乱による死亡
以上の条件では、免責期間内での自殺をはじめ、保険金に関係してくる人たちがわざと事故死させるような事態、そして、戦争やクーデター等の大規模戦闘に巻き込まれた場合にも、保険金が下りないことがあげられます。
生命保険の保険金が支払対象外となる場合に関して
- 被保険者が不慮の事故により180日以内に死亡
- 保険会社の定める感染症によって死亡
こちらの要件では、事故にあったからといって即死したような状態だけではなく、その後、すみやかに治療を受けたにもかかわらず亡くなったという場合には、災害死亡保険金が下りることになります。
また、どんな感染症にも適用されるわけではないですが、深刻な感染病にかかって死亡した場合は災害死亡保険金が下りる可能性があります。
ただし、以下の免責事由に該当した時は、たとえ支払事由に当てはまる場合でも保険金は下りません。なお、免責事由の判断は保険会社が行います。
故意の事故や重大な過失があった場合
故意の事故や重大な過失があった場合、生命保険の保険金はおりません。
故意の事故や重大な過失となるケースは次のような場合です。
故意の事故
故意とは、「わざと」引き起こしたという意味であり、保険金欲しさに契約者または受取人が被保険者本人を事故死させるような行動をとったことが該当します。例えば、被保険者をわざと泥酔させたり、覚せい剤を注射して異常な精神状態へ誘導したりして、車を運転させ事故を引き起こすようなケースが該当します。
重大な過失
重大な過失とは、ちょっと注意すれば危険を認識できる状況であったにもかかわらず、確認を怠り事故死したことがあげられます。
例えば、ちょっと注意すれば危険を認識できる状況だったのに、高速道路を逆走して対向車と衝突し死亡したケースが該当します。
一方、うっかり居眠り運転を行い、木に衝突して死亡したケースは重大な過失に該当しません。
免責期間内の自殺と判断された場合
現在は自殺者が減少傾向とはいっても、毎年2万人を超える人々が自殺を選んでいます。
もしも、保険契約をすればすぐに自殺の場合でも保険金が下りると設定されていたら、保険金目的で自殺を選ぶ人と保険契約を行うリスクが高くなります。
そこで保険会社では自殺の免責期間(概ね1年~3年)を設けることで、保険金目的で自殺を選ぶ人との契約リスクを回避しているわけです。
ただし、自殺の免責期間終了後に被保険者が自殺したからといって、一律に受取人へ保険金が下りるわけではなく、生命保険会社側も自殺等について慎重な調査を行います。その際に、保険金目的と判断されれば、やはりお金は下りません。
告知義務違反があった場合
この告知書には、生命保険会社の所定の疾病を発症したり、治療・手術・入院したことがあるかどうかについて、大抵どの保険会社でも質問項目として回答を求められます。
告知書では次のような形で質問されます。
- 最近3ヶ月以内の医師の診察、検査、治療、投薬がありましたか?
- 過去5年以内に病気やケガで7日以上の入院や検査、投薬がありましたか?
- 過去5年以内に病気やケガで手術したことがありますか?
- 過去2年以内に健康診断、人間ドック、がんの検診をして、要再検査、要精密検査、要治療を医師からすすめられましたか?
- 今までに、上皮内新生物(初期のがん)または悪性新新生物(悪性のがん)にかかったことはありますか?
その際に、車の運転に重大な結果をもたらす目の病気や、前述した自殺の原因となる「うつ病」の症状があるにもかかわらず、告知書に何も記載しなかった場合や、嘘を記載した場合に、後日その事実が判明すると「告知義務違反」となります。
この告知義務違反に該当すれば、被保険者が不慮の事故で死亡しても、保険金は下りないことになります。
こちらのほけんROOMの記事では告知義務違反に関して詳しく紹介しています。ぜひそちらもご覧ください。
不慮の事故でも生命保険の対象外となることもある
被保険者の犯罪行為による場合
被保険者が強盗目的でコンビニへ押し入り、金品を強奪して車で逃走中に事故死したというケースでは支払いの対象外です。
運転資格を持たないで運転した場合
しかるべき講習や学科試験・実技試験を経て運転資格を取得していないにもかかわらず、車を運転し事故死した場合が当てはまります。
戦争、その他の変乱、地震・噴火・津波による事故死
戦争状態や自然災害では、いかに不慮の事故とはいえほとんどの場合は対象外となります。
自動車保険など、その他の保険の事故死への対応
- 自動車保険
自動車に関係する対人・対物賠償のための保険です。
事故死については、基本補償として手厚くサポートされている場合がほとんどです。
保険会社によっては、過失割合に関わらず実際の総損害額を、保険金額を限度として示談解決を待たずに受け取れます。
保険金額は無制限または約3,000万円~1億円程度となります。
- 傷害保険
損害保険会社が扱うケガや事故に関する保険です。
災害死亡保険と同じく急激・偶発・外来全てを含む不慮の事故が対象です。
こちらの場合も、戦争またはその他の変乱による死亡は補償対象外ですが、地震・噴火・津波による死傷は特約を付加して補償されることがあります。
事故死と生命保険の支払い可否のまとめ
今回の記事のポイントは
- 生命保険において、事故死と病死とで下りる保険金は異なる場合がある
- 災害死亡保険金を受け取る場合には不慮の事故による死亡が要件となる
- 不慮の事故に該当しても、故意または重過失、告知義務違反や犯罪行為等を行なえば保険金は下りない
でした。
死亡保険金は、被保険者にまさかの事態が発生した場合、受取人へ支払われるお金です。特に災害死亡保険金は、通常の死亡保険金よりも多額に上るお金が支払われます。
そのため、生命保険会社側も、被保険者の死亡に違法な点や、告知義務に反する点がないかをより慎重に調査することとなります。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、是非ご覧ください。
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