更新日:2023/03/09
がん保険と医療保険の違い|どっちがおすすめか保険のプロが解説!
がん保険と医療保険、どちらが良いのか迷う人も多いと思います。この記事ではがん保険と医療保険の違いとともに、それぞれのおすすめの人やセットで加入できるのかについても解説します。実際に選ぶ際のポイントも解説していますので選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
内容をまとめると
- がん保険と医療保険は多くの点で違う
- 40歳を超えて生活習慣病が気になる、広範囲の疾患をカバーしたいという人には医療保険がおすすめ
- 若い人や保険料が不安な人、がん家系の人はがん保険がおすすめ
- どちらも万が一の経済的リスクを軽減する役割を持つため必要性が高い
- 検討の際はプロに相談をすることで無駄のない最適なプランが分かる
- 保険の相談窓口として「マネーキャリア」が優秀!顧客満足度は93%でオンラインに対応しているため気軽に相談できる
目次を使って気になるところから読みましょう!
- がん保険と医療保険の違い
- がん保険と医療保険を比較|がん保険の保障内容
- がん保険の保障内容①がん診断給付金
- がん保険の保障内容②がん入院給付金
- がん保険の保障内容③がん手術給付金
- がん保険の保障内容④がん通院給付金
- がん保険の保障内容⑤抗がん剤・放射線治療給付金
- がん保険の保障内容⑥がん先進医療給付金
- がん保険と医療保険を比較|医療保険の保障内容
- 医療保険の保障内容①入院給付金
- 医療保険の保障内容②手術給付金
- 医療保険の保障内容③通院給付金
- 医療保険の保障内容④先進医療給付金
- 医療保険の保障内容⑤がんに関する特約
- がん保険と医療保険どっちがおすすめ?
- 医療保険の方がおすすめの人
- がん保険がおすすめの人
- 一番はがん保障が十分にある医療保険!
- がん保険と医療保険をセットで加入することもできる?
- がん保険と医療保険をセットで加入するメリット
- がん保険と医療保険をセットで加入するデメリット
- そもそもがん保険と医療保険は必要か?
- がん保険の必要性
- 医療保険の必要性
- がん保険と医療保険を選ぶときのそれぞれのポイント
- がん保険の選び方のポイント
- 医療保険の選び方のポイント
- がん保険と医療保険で迷っている人が注意すべきこと
- 注意点①医療保険とがん保険の保障内容の重複
- 注意点②家計状況と健康リスクを考慮して加入を決める
- ③がんの罹患率をしっかり理解する
- がん保険と医療保険に関するまとめ
目次
がん保険と医療保険の違い
「備えあれば憂いなし」の言葉どおり、万が一の保障としてがん保険と医療保険という2つの保険の必要性を感じていらっしゃる人がいるかもしれません。
この2つの保険の違いはご存じでしょうか?実は、加入目的や保障の範囲などで、
明確な違いがあります。
できることなら両方加入していれば安心だとは思います。しかし、ふたつとも加入すると、保険料も安くはならないでしょう。
ですので、両者の違いについてきちんと理解し、自分に必要なものだけ加入するようにしましょう。
がん保険 | 医療保険 | |
---|---|---|
加入の目的 | がんの治療に対する保障 | がんを含む病気、ケガに対する保障 |
入院給付金の支払対象 | がんに関するもののみ (悪性新生物・上皮内新生物、ただし、非該当の保険もあり) | 病気、ケガに関するもの 病気にはがんも含まれる |
保障内容(主なもの) | がん診断一時金・がん入院給付金・がん手術給付金・がん通院給付金 | 入院給付金・手術給付金 |
特約 | 抗がん剤治療特約・がん先進医療特約など | 通院特約・先進医療特約・災害割増特約・女性疾病特約・生活習慣病入院特約・特定(三大疾病)保障特約 ・長期入院特約・特定疾病保険料払込免除特約など |
入院給付金支払限度日数 (1回の入院につき) | 無制限 | 1回の入院につき、30日、60日、90日、120日限度などさまざまな種類がある |
入院給付金支払限度日数 (通算限度日数) | 無制限 | 1,000日、1,095日など制限あり |
がんに特化したその他の保障内容 | 抗がん剤治療特約・がん先進医療特約 | がん入院特約・がん診断入院特約、がん先進医療特約など |
免責期間 | 一般的に90日間 | なし |
加入制限 | 健康告知や診査で引き受けできない場合あり 制限は厳しくない | 健康告知や診査で引き受けできない場合あり 条件はやや厳しい |
がん保険は「がん」に関する保障に限定した保険である一方、医療保険は、がんを含む病気やケガに関する幅広い保障になっています。
がん保険の場合、がんに対する保障が大きく、入院は無制限です。抗がん剤や放射線治療、手術といった三大治療の通院に関しても無制限で支払われる保険もあるなどがんに対して大変手厚い保障となっています。
医療保険は、特約をつけることで、女性特有の病気や生活習慣病にかかったときに倍額保障になったり、特定疾病(がん、心疾患 脳血管障害)になったときの保障や保険料払込の免除などがされます。
また、ケガのときには保障が倍額になるなどの特約もつけられるので、医療全般の保障として備えることができます。
医療保険にも、がんに関する特約をつけると倍額保障になる特約があり、がんに対する保障内容を充実することも可能です。
がん保険には、契約日から90日間の免責期間がありますが、医療保険にはありません。
加入に関しては、どちらとも告知もしくは診査が必要ですが、医療保険の方が条件は厳しくなっています。
医療保険は、1回の入院につき、
30日~120日と支払日数に制限を設けています。通算日数も、1,000日、1,095日の制限があります。
ただし、この通算日数は、ケガと病気、それぞれで通算限度が適用となる保険、あるいはケガと病気と合算して通算限度となっている保険があります。
がん保険と医療保険を比較|がん保険の保障内容
がん保険と医療保険の違いはおわかりになりましたでしょうか?
次にがん保険と医療保険の保障内容について具体的に比較していきたいと思います。
まずはがん保険の次の5つの保障内容について見ていきましょう。
- ①がん診断給付金
- ②がん入院給付金
- ③がん手術給付金
- ④がん通院給付金
- ⑤抗がん剤・放射線治療給付金
がんにかかったときには、高額な治療費を負担しなければならないだけでなく、治療費以外の費用も負担としてのしかかってきます。
女性の場合は高額なウィッグを購入する必要がありますし、家事が出来ないので料理は惣菜を買ったり宅配を注文したりしなければならないため食費も高騰しがちです。
また、保険の効かない自由診療をする人もいるでしょう。その場合は数百万円が全額自己負担となります。
このように、いろいろなところでたくさんの費用が必要となるので、給付金の内容を知っておくのは大切です。
以下で詳しく見ていきましょう。
がん保険の保障内容①がん診断給付金
がん診断給付金とは、がんと診断されたときに支払われる給付金です。
この給付金は、がんの診断が確定するとすぐに一時金が受け取れることが大きな魅力のひとつです。
がんと診断されたときには精神的に大きなダメージを受けます。それと共に、これからの治療にかかる金銭的な面での不安も大きくなりますよね。
その金銭的な面での安心感を得られるために、診断後に一時金が受け取れると気持ちが全然違います。
がん診断給付金には、
- 給付金額を50万円・100万円・300万円などから選択可能(ただし、100万円受け取れるものが一般的)
- 1回しか受け取れないものと複数回受け取れるものが存在する
- がんの初期段階である上皮内がん(上皮内新生物)が保障されるか、保障される場合どのくらいの給付金額を受け取れるかはがん保険により異なる
以上のような特徴があります。
再発のことを考えると複数回支払われるものを選ぶのが良いですし、上皮内がんの罹患の可能性も高いので上皮内がんがきちんと保障される方が良いといえます。
しかし、給付回数が多く保障範囲が広いということは、それだけ保険料も高くなるということです。自分の貯蓄状況などと照らし合わせて無理のないものを選択することが大切になります。
同じ診断給付金でもがん保険によって保障内容や保障方法が異なるので加入時にはきちんと確認しましょう。
がん保険の保障内容②がん入院給付金
がん入院給付院は、がんで入院したときに支払われます。
1日あたりの金額が5千円や1万円などと決められていて、入院日数分支払われます。
例えば、1日8,000円で30日間入院した場合は、
8,000円×30日=240,000円
が支払われることになります。
がん保険の場合は、1日目から支払われ、無制限に給付されるものがほとんどです。
現在は、がんでも短期入院になるケースが増えていますが、それでも通常の入院の場合よりは入院日数が長い傾向にあります。
また、がんの種類や病状によっては、長期間入院することも考えられます。がん入院給付金をつけておけば、入院時のお金に関しての心配事がなくなり、がん治療に専念できるため、精神面の負担が減って楽になります。
また、がんという病気の性質上、再発も考えられ、繰り返し入院する可能性があります。
がん保険なら何回入院しても限度日数がなくて無制限に給付されますので、より安心と言えるでしょう。
がん保険の保障内容③がん手術給付金
がん手術給付金は、がん関連の手術のときに支払われます。
手術の内容によって、がん入院給付金の10倍~40倍と所定の倍率が決まっています。
例えば、がん入院給付金が1万円で乳腺腫瘍摘出術(悪性)をした場合は40倍となり、
1万円×40=40万円
が支払われます。
また、手術給付金の額が入院給付金の額に関わらず、あらかじめ決まっている商品もあります。
このように商品によって内容が違っていますので、どちらの商品の方が自分には適しているか考えるとよいでしょう。
なお、この特約は、がん入院給付金と最初からセットになっているケースが大半です。
がん保険の保障内容④がん通院給付金
がん通院給付金は、がんで通院した場合に支払われます。
退院後の通院の場合のみ、あるいは通院のみでも大丈夫な商品もあります。
後者は、現在の医療事情では、入院を短期間にして通院治療にシフトしていることがわかっているので非常に助かりますね。
通院すると身体に負担が掛かり、通常の仕事や家事にも影響がでてきます。
そんなとき、通院給付金があると、タクシー利用や家事手伝いを頼むこともできます。
これは経済面での支えになります。
また、給付日数が無制限に支払われる商品もあります。
今後、ますます通院での治療が増えてくると思われますので、
この点はしっかりと確認すると良いでしょう。
がん保険の保障内容⑤抗がん剤・放射線治療給付金
抗がん剤・放射線治療給付金は、放射線治療や抗がん剤治療を受けたときに支払われる給付金です。
放射線治療の場合、1回の治療期間が決まっているので、60日限度のように日数に制限があります。
また、治療時に使われる放射線量が少ない(50グレイ未満)場合は支払対象外となるケースもあります。治療を受けたときの明細書には、何グレイを使ったか書かれていますので、該当になるか確認をする必要もあるでしょう。
抗がん剤治療給付金は、抗がん剤だけでなく、ホルモン剤(乳がん、前立腺がんのとき)での薬物治療のときにも支払われます。
この給付金は、月額で支払われるもの(10~30万円)が多いです。1日1万円と日額で支払われるケースもあります。
昨今、通院のみでのこれらの治療が増えていますので、必要性が高くなっています。
がん保険の保障内容⑥がん先進医療給付金
がん先進医療給付金は、がんになって先進医療を受けた場合に支払われる給付金で、実費分が受け取れます。
がんの治療として身体への負担の少なく注目されている「陽子線治療」「重粒子線治療」などがこれに該当します。
給付金額には上限が設けられており、2,000万円が主流です。中には、無制限というケースもあります。
また、一時金として、治療のための療養の際の宿泊費や交通費が支払われる商品もあります。
先進医療は、公的医療保険の対象外となっているため、全額自己負担しなければなりません。
治療費は大変高額で1回に300万円を超えるものもあるため、貯蓄だけではまかないきれないケースも多く、十分な治療を受けられないということもでてきます。
そうなっては大変ですよね。
先進医療特約は、保険料自体は安いので特約として付加しておくことは必須と思われます。
なお、がん保険についている特約は、がんの場合の先進医療の治療のみが対象であることには注意しておきましょう。ただし、先進医療はがんに関するものが大半ですので十分であるともいえます。
がん保険と医療保険を比較|医療保険の保障内容
さて、保障内容について、がん保険についてわかったところで、次に医療保険について見ていきましょう。
- 医療保険の保障内容①入院給付金
- 医療保険の保障内容②手術給付金
- 医療保険の保障内容③通院給付金
- 医療保険の保障内容④先進医療給付金
- 医療保険の保障内容⑤がんに関する特約
パッと見ると、がん保険とどこが違うのかわからないかもしれません。
医療保険と内容的にはどこが違うのでしょうか?
簡単に言うと、がん保険はがんに特化していますが、医療保険は、一般的な病気やケガにまで幅広い保障がされている保険です。
さらに比べてみると、限度額の違いがあったり、保障の範囲の違いがでてきますので、ひとつずつ詳しく解説します。
医療保険の保障内容①入院給付金
入院給付金は、病気やケガで入院したときに支払われます。
入院日額に入院日数を掛けて計算します。
例えば、日額8万円で7日間病気入院した場合は、
8,000円×7日=56,000円
が支払われることになります。
現在は、日帰り入院でも支払われる保険が増えましたが、古い保険ですと4日間の免責がある保険も多かったです。入院日数も8日以上や20日以上でなければ該当しないものもありました。
この場合、7日間の入院では古い保険のままにしておくと、免責4日間を差し引いて3日分しか支払われない、もしくは、該当外になるケースもあります。
現在の医療事情は入院日数が短縮されているので、ずっと書き換えをしていない場合は見直しをすることが大切です。
なお、少数派の保険では、あらかじめ金額が決まっているものもあります。
また、1回の入院で支払われる限度日数は、30日、60日など条件が違っています。
支払限度日数は、1.095日、1,000日、700日など、こちらも保険種類により異なっていますのでよく確かめてみましょう。
医療保険の保障内容②手術給付金
手術給付金は、病気やケガで手術した場合に支払われる給付金です。
手術の内容によって、倍率定められており、入院日額に倍率を掛けて給付金を計算するケースが多いです。
例えば、入院日額10,000円、倍率20倍の場合、
10,000円×20=20万円
が支払われます。
保険によっては、定額で20倍と決められているものもあります。
受けた手術が支払い対象に該当するか該当しないかも、保険会社によって異なります。
例えば、良性の皮膚の腫瘍は非該当となります。
これは、契約するときに受け取る約款を見ると詳しく載っています。
もらえると思ってもらえない手術だった場合はガッカリしてしまうと思いますので、事前に確認してみるとよいでしょう。
医療保険の保障内容③通院給付金
通院給付金は、病気やケガの通院時に支払われます。
入院後の通院に対して支払われる場合がほとんどです。
受け取れる金額は通院日額に通院日数を掛けて算出します。
実際には入院する前の準備期間の通院について支払われるケースもあります。
入院前には、パジャマや下着、タオルなど、入院時に準備する物を買いそろえる必要があり出費がかさみますので、その費用に充てるのに助かりますね。
なお、1回の通院で例えば30日までというふうに日数が決められています。
医療保険の保障内容④先進医療給付金
先進医療給付金は、厚生労働大臣が定めた先進医療の治療の際に支払われる給付金です。
これは、がん先進医療同様、公的医療保険の対象にならないので、全額個人負担しなければなりません。
また、医療保険の給付金は、がん以外の先進医療の場合も該当になります。
例えば、家族性アルツハイマー病の遺伝子診断や高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術などです。
内容的には、がん先進医療給付金とほぼ同じで、上限が2,000万円が主流ですが、中には無制限もあります。
先進医療の中には1回に300万円以上かかる治療など高額になるものがあります。高額な医療費がかかった場合、確定申告で医療費控除をすると一部は戻ってきますが、高額な出費は免れないでしょう。
ですから、いざというときのための保障として付けておくのが懸命と思われます。
医療保険の保障内容⑤がんに関する特約
医療保険は、病気とケガ全般に幅広い保障をしますが、がんに関する特約を付加すると、がんの治療に対して十分な保障を得ることができます。
おもに次の様な特約が付加できます。
- がん診断給付金
- がん入院給付金
- がん通院給付金
- 放射線治療給付金
- 抗がん剤治療給付金
- 放射線治療給付金
がん診断給付金は、がんと診断されたときに一時金が支払われます。
がん入院・がん通院給付金は、がんが原因のとき、通常の入院給付金に上乗せする形で支払われます。一般的には、倍額になるケースが多いです。例えば日額7,000円の入院給付金の場合、日額14,000円となります。倍額になると、経済面で随分と安心感が得られるでしょう。
抗がん剤治療給付金や放射線治療給付金は、治療を受けたときに給付金を受け取ることができます。このとき、入院の有無は問われません。つまり、通院のみで大丈夫なのです。
以上、がん保険と同じような内容になりますので、がん保険に入らずに、医療保険にがん保障を上乗せして加入したと考えるとよいでしょう。
がん保険と医療保険どっちがおすすめ?
では実際に加入を検討する際にどちらがおすすめなのでしょうか。
- 医療保険の方がおすすめの人
- がん保険がおすすめの人
医療保険の方がおすすめの人
医療保険の方がおすすめな人は
- 40歳以降
- 広範囲の保障が欲しい人
- 保険料があまり気にならない人
- 将来についての健康に自信がない 人
- 生活習慣などから「自分は病気になりやすいのでは?」と感じている人
年代 | 順位 |
---|---|
40代 | 3位 |
50代 | 2位 |
60代 | 2位 |
70代 | 2位 |
80代 | 2位 |
と上位を占め、備えるべき病気の1つと言えます。
またメタボリックシンドロームは糖尿病や高血圧症の原因にもなるため注意が必要です。
次に脳血管疾患です。平成29年度患者調査によると、患者数は30代の約5倍にも増加しています。
死亡の原因としても
年代 | 順位 |
---|---|
40代 | 4位 |
50代 | 4位 |
60代 | 3位 |
70代 | 3位 |
80代 | 3位 |
がんだけでなく疾患リスクの高まる40代以降は医療保険の検討をしてみると良いでしょう。
がん保険がおすすめの人
がん保険がおすすめの人は
- 年齢が若い人
- 保険料が不安だけどがん治療だけは少なくとも備えたい人
- がん家系の人
- 一般的な治療費は払えるけどがん先進医療の支払いが難しい人
一番はがん保障が十分にある医療保険!
総合的に1番おすすめなのはがん保障が十分にある医療保険です。
普通の医療保険ではがんになった時の保障が不十分な可能性がありますし、がん保険だけでは一般的な疾患に対応できないからです。
ある商品を例に挙げると、基本保障として
- 1000種類の手術に対応
- 三大疾患による入院は日数無制限
- 先進医療保障
- がん初回診断時一時金
- がん治療通院
がん保険と医療保険をセットで加入することもできる?
ここまで、がん保険と医療保険の特徴を見てきて、それぞれの良さがおわかりいただけたのではないでしょうか?
ところで、がん保険と医療保険をセットで加入することはできるでしょうか?
答えは「できる」です。
同じ保険会社の中で両方に加入することもできますし、別の保険会社とバラバラに加入することも可能です。
ですから、がん保険と医療保険と両方加入していた場合、どちらからとも給付金や一時金を受け取ることができるのです。
実際に、がん保険1つ、医療保険1つ、普通保険に特約として医療給付をつけて1つ、という具合に3つ加入している人もいます。複数加入すると、内容によっては、1回の入院で短期間だったとしても、数百万円の受取りになることもあります。
そこで、次に2つの点を比較したいと思います。
- がん保険と医療保険をセットで加入するメリット
- がん保険と医療保険をセットで加入するデメリット
セットで加入した場合、メリットとデメリットがでてきますので、詳しく見ていきましょう。
がん保険と医療保険をセットで加入するメリット
セットで加入するメリットは次の3つです。
- 手厚い保障が受けられる
- 自分で必要な保障を取捨選択できる
- がん以外の病気やケガに対応できる
手厚い保障が受けられる
がんで入院すると、退院後でも抗がん剤や放射線、ホルモン剤治療など、長期間の治療が必要になるケースも多いです。
また、体力が消耗しているので、仕事を休んだり、家事ができないのでヘルパーを頼んだりと、入院費用以外にもさまざま経費がかかります。
ですから、がん保険と医療保険をセット加入しておくと、両方から受け取れますので、より手厚い保障が受けられます。
さらにその後、通院治療がはじまると、それぞれの特約の付加状況に応じて両方の保険から保障がプラスされることになるので、経済的な不安の解消になるでしょう。
自分で必要な保障を取捨選択できる
両方の保険にはそれぞれさまざまな特約を付加することができます。
その中から自分に必要な保障を選んで付加することで、自分好みの保険内容にすることが可能です。
がん以外の病気やケガに対応できる
両方加入していることで、一般的な病気やケガで入院したときに、全く給付金がでないということを防げます。
一般的な病気やケガのときの保障で安心を買いつつ、がんになったときにはより大きな保障を買えるというふうに、二段階保障をつくることができます。
がん保険と医療保険をセットで加入するデメリット
セット加入することで、次のような3つのデメリットもあります。
- 保険料が高くなる
- 保障内容が重複しやすい
- 管理が難しくなる
保険料が高くなる
当然と言えば当然ですが、保険を2つ掛けることで、その分保険料が高くなります。
保障が多いにこしたことはありませんが、あまり欲張りすぎて大きな保障にしてしまうと、毎月の掛金が大変高額になってしまいます。
ですから、自分の家計に見合った金額で考える必要があります。
保障内容が重複しやすい
医療保険には、がんに関する特約もさまざま付加することができます。
ですから、しっかりと見極めないと、両方に同じような内容の特約が付加されていて、ムダになる場合もあります。
がんに関する保障は、がん保険に加入しているならば、医療保険には特約を付加する必要はないです。
また、先進医療特約も、医療保険に付加しているのであれば、がん保険の方には付加する必要はないです。
うっかりすると、重複して余分な保険料まで支払うことになるかもしれないので、注意が必要です。
管理が複雑になる
保険が1つだと、管理も楽ですが、2つ、3つとなると、いざ給付金を請求するときに、いくつも書類を取り寄せたりと、管理が複雑になります。
同じ保険会社での複数加入の方が、管理は楽だと思われます。
そもそもがん保険と医療保険は必要か?
日本では公的医療保険がかなり充実しています。そのような中、民間のがん保険や医療保険が必要なのでしょうか。
ここでは、がん保険と医療保険の必要性についてそれぞれ解説します。
日本の医療保険の給付制度の例としては以下のような制度があります。
名称 | どんな時にもらえるのか |
---|---|
高額医療制度 | 自己負担が高額になった時 |
傷病手当金 | 病気やけがで働けなくなった時 |
高額介護合算療養制度 | 同一世帯での医療保険と介護保険の合計自己負担額が高額となった時 |
入院時食事療養費 | 入院した時(食事代が一食460円超えの場合) |
保険外併用療養費 | 保険診療との併用が認められる療養を受けた場合 |
医療費が高額になった場合から、入院時の補助までさまざまです。そのため医療保険やがん保険は必要ないと考える方もいるかもしれません。
しかし保障対象外の治療を受けた場合や入院が長引いた場合などは公的保障だけでは追い付かず、貯蓄を削ることになるのです。
実際にどのようなケースの時に必要なのか下記にて説明します。
がん保険の必要性
がん保険の必要性として知っておきたいのは先進医療を受ける際の費用です。
先進医療は公的保障範囲外になるためすべて自己負担です。
生活文化センターより平均費用は以下の通りです。
先進医療技術 | 技術料(1件当たり平均額) | 平均入院期間 |
---|---|---|
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 | 302,852円 | 11.4日 |
陽子線治療 | 2,697,658円 | 19.8日 |
重粒子線治療 | 3,089,343円 | 9.6日 |
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法 | 107,661円 | 2.5日 |
医療保険の必要性
医療保険の必要性については令和元年度生活保障に関する調査より
- 平均入院日数
- 自己負担費用
年代 | 平均入院日数 |
---|---|
20代 | 14.4日 |
30代 | 13.5日 |
40代 | 12.3日 |
50代 | 15.2日 |
60代 | 19日 |
となっており、全年代の平均は15.7日です。各年代とも平均は2週間以上と報告されています。
また入院日数が長くなる疾患は以下の通りです。
傷病別分類 | 平均入院日数 |
---|---|
精神・行動障害 | 277.1日 |
神経系疾患 | 81.2日 |
循環器系疾患 | 38.1日 |
筋骨格系疾患 | 29.4日 |
精神・行動障害での入院日数が圧倒的に高く、神経系疾患も2カ月以上が平均です。
骨折をした場合も1カ月の入院が必要となります。
次に1日にかかる自己負担費用(高額療養費制度利用者を含む)をみていきましょう。
費用 | 割合 |
---|---|
5,000円未満 | 10.6% |
5,000~7,000円 未満 | 7.6% |
7,000~10,000円 未満 | 11.1% |
10,000~15,000円 未満 | 24.2% |
15,000~20,000円 未満 | 9% |
20,000~30,000円 未満 | 12.8% |
30,000~40,000円 未満 | 8.7% |
40,000円以上 | 16% |
がん保険と医療保険を選ぶときのそれぞれのポイント
前章を読んでがん保険や医療保険が必要だということが分かったのではないでしょうか。
ここでは、がん保険と医療保険を選ぶ時のポイントを紹介します。
保険商品が多数販売され内容も多種多様になった今、保険料が安いからなど、なんとなくで選ぶと後悔する恐れがあります。
選び方のポイントを押えておかないと、実際に利用する時に「保障対象外で給付金が支払われなかった」「支払回数は決まってないと思ったら一回のみだった」と思っていた内容と違った…ということがおこりかねません。
せっかく大事な生活費から保険料を支払うのですから、納得できる保険を選びましょう。
自分で検討する他に、プロに相談する手もあります。マネーキャリアならあなたに寄り添った保険選びをサポートしてくれます。
もしもがん保険や医療保険選びに迷ってしまった場合にはマネーキャリアで無料相談してみましょう。
がん保険の選び方のポイント
がん保険を選ぶポイントとしては
- 診断給付金の支払条件・回数
- 保障タイプ(定額保障か、実額補償か)
- 保険期間(終身か定期か)
- 悪性新生物(転移や再発の恐れがあるもの)
- 上皮内新生物(ほぼ完治でき転移や再発の可能性が低いもの)
- 定額保障
- 実額保障
- 終身
- 定期
医療保険の選び方のポイント
- 入院給付金や手術給付金の支払条件
- 保障タイプ(定額保障か、実額補償か)
- 通院保障の有無
がん保険と医療保険で迷っている人が注意すべきこと
がん保険と医療保険で迷っている人が注意すべき3つの点
- 医療保険とがん保険の保障内容の重複
- 家計状況と健康リスクを考慮
- がんの罹患率
注意点①医療保険とがん保険の保障内容の重複
1つ目の注意点は医療保険とがん保険の保障内容の重複がないかどうかです。
家計に余裕がある場合は医療保険とがん保険の両方を契約するという選択肢もあります。
医療保険で一般的な疾患に備え、治療費が高く経済的な打撃も大きいがんにはがんに手厚い保障があるがん保険で備える。
さまざまなリスクに対応できるため安心感は大きく、精神的な支えとしては心強いものです。
ただし、保障内容の重複には注意しましょう。
医療保険に先進医療の保障がついていれば、がん保険の先進医療特約は必要ないでしょう。
また、医療保険にはがんの保障を含む三大疾病特約があります。がん保障について、がん保険と重なるのであれば、見直しをすることをおすすめします。
どちらか片方の保障だけで医療費が賄えるのであれば、保険料を無駄に支払っていることになります。
注意点②家計状況と健康リスクを考慮して加入を決める
家計状況と健康リスクを考慮して加入を検討することも大切です。
確かに健康リスクに備えて保険の準備は必要です。万が一が起きた時には充実した保障内容や契約数が役に立つでしょう。
しかし、その保険料が家計を圧迫するようではいけません。
生活が苦しくなると、身体的にも精神的にも負担が大きくなります。万が一の時に備えているにも関わらず、その保険料が疾患を引き起こすストレスになる可能性があります。
保険料の目安は月収の10%と言われています。月収が30万円の人は一月3万円程度ですね。ただしライフスタイルや借り入れ状況によって最適な設定額は異なります。
自分の家計と今必要な保険をしっかり見極め、無理のない範囲での加入をしましょう。
③がんの罹患率をしっかり理解する
がんの罹患率はがんの統計2021によると年齢階級罹患率は
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
~39歳 | 1.2% | 2.3% |
~49歳 | 2.7% | 6.3% |
~59歳 | 7.8% | 12.4% |
~69歳 | 21.9% | 21.2% |
~79歳 | 43.6% | 32.8% |
生涯 | 65.5% | 50.2% |
となっています。男女ともに生涯で2人に1人はがんを発症する可能性があるのです。
若いうちは男性の罹患率は低めですが、定年を迎える60歳以降急激に上昇します。生涯で65.5%の人がなると予想されるため、60歳までにはがん保険を検討しておいた方が良いでしょう。
女性は40代から徐々に増加しています。生涯の罹患率は男性に比べて低めではありますが、50代というまだ働き盛り、子育て中の時期に10人に1人以上発症する恐れがあることは覚えておきましょう。
自分に万が一が起きた場合におきるリスクを補填する必要があります。
がん保険と医療保険に関するまとめ
がん保険と医療保険について
- 両者の違いと保障内容
- それぞれのおすすめな人
- セット加入について
- それぞれの必要性
- 選ぶ際の注意点
▼この記事を読んでわかること
▼この記事を読んで欲しい人