生命保険の責任開始日の意味とは?責任開始日の仕組みや特例を解説
更新日:2019/07/16
保険の責任開始日とは?いつからスタート?契約日との違いは?
保険の責任開始日と契約日の違い
保険の場合、契約日から保険の効力が発生するわけではありません。
契約日とは保険会社が契約を承諾した日のことをいい、保険証券発行の日をいいます。
しかし保険の申し込みをしてから保険証券が発行されるまで数週間かかる場合があります。
もし保険の効力が契約日以降となってしまうと契約者にとって不利となってしまうため、生命保険約款では
- 申し込み(契約申込書への記入と署名捺印)
- 告知
- 第一回保険料の払い込み
以上の3点が全て完了した日から保険会社は保障を開始すると定めているのが一般的です。
つまり保険の責任開始日とは、上記3点が完了した日ということです。
契約が成立すると責任開始日まで遡って保険の効力が発生します。
責任開始日に関する特約とは?生命保険会社への導入が拡大中
本来、責任開始日とは「申し込み」「告知」「第一回保険料の払い込み」の3つが完了した日をいいますが、昨今では各生命保険会社で第一回保険料の払い込みからキャッシュレス化できるよう進められており、それに伴い「責任開始日に関する特約」が作られました。
「責任開始日に関する特約」とは「申し込み」と「告知」が完了した時点で保険の効力が開始するという特約で、契約者は第一回保険料の払い込み前から保障を受けられるというメリットがあります。
全ての保険商品に適用されているわけではありませんが、対象の保険であれば無料で自動付帯されます。
この特約を導入する生命保険会社が増えていますが、ない場合もありますので契約を検討している場合は事前に確認するようにしましょう。
がん保険の責任開始日はいつ?
がん保険の場合、90日間の免責期間があります。
免責期間とはがんを発症しても保障を受けることができない期間をいいます。
そのため、通常であれば「申し込み」「告知」「第一回保険料の払い込み」の3つが全て完了した日から保障が開始するものですが、がん保険の場合はさらに90日間経過した91日目から保障が開始します。
このようにがん保険は通常の保険とは責任開始日が異なりますので注意が必要です。
がん保険には90日の免責期間が存在するのはなぜ?
「がん」はその発生や進行のメカニズムが解明されていないため、その「がん」を保障する保険は他の保険と性質が異なります。
「がん保険」は支払い要件を明確化するために、医師によって「がん」と診断確定されることを支払事由としていますが、以下のようなケースが可能性としてあげられます。
- 身体の不調を自覚しながら医師の診断を受けず「がん保険」に加入、その後「がん」と診断確定されるケース
- がんに罹患していても本人に告知されないケースがあり、本人は「がん」であると知らないでがん保険に加入してしまうケース
通常、生命保険に入る際、ありのままを告知する義務がありますが、がん保険の場合、上記のようなケースもあるので告知義務違反制度だけではモラルリスクを排除できません。
そのため90日間の免責期間をあわせて条件とすることで保険としての適正さを保っているのです。
保険会社によって責任開始日の違いはあるの?
保険会社によって責任開始日は多少異なります。
保険会社名 | 責任開始日 |
---|---|
かんぽ生命 | ・初回保険料後払制度 …申し込みと告知が完了した日 ・責任開始日指定特則 …「申込日の翌日から3か月後の 月における契約応当日まで」 の期間内であれば指定可能 |
アフラック | ・「責任開始期に関する特約」付加 …申込書・告知書を受領した日 ※特約を付加しない場合、 申し込み・告知・第一回保険料の 払い込みが完了した日 (クレカ払いの場合は、 有効性を確認した日) |
メットライフ生命 | 申込書・告知・第一回保険料の 払い込みが完了した日 (クレカ払いの場合は、 有効性を確認した日) |
日本生命 | 申込書・告知・第一回保険料の 払い込みが完了した日 |
オリックス生命 | 申し込みと告知が完了した日 |
※免責期間のある保険商品の場合は上記の通りとはなりません。