更新日:2024/08/07
学資保険を一括払いするメリット・デメリット!全期前納や年払いと比較
学資保険の一括払い(一括納付・一括払込)は返戻率が高くてお得聞いた方も多いのではないでしょうか。今回、学資保険の保険料を一括払いするメリット・デメリット、月払い・年払い・全期前納との返戻率の比較を解説します。よりお得な支払方法で学資保険に加入しましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 学資保険を一括払いするメリット・デメリットを比較
- 一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がある
- 学資保険の全期前納と一時払いのメリット・デメリット比較
- 学資保険の保険料を一括払いするメリット!
- 返戻率が高くなる
- 払込保険料総額が安くなる
- 学資保険の保険料を一括払いするデメリット
- デメリット1:払込免除特約が適用されない
- デメリット2:生命保険料控除が支払った年しか適用されない
- デメリット3:途中解約した場合大きく損をする
- 学資保険は結局「月払い」と「一括払い」はどっちがいいの?
- 参考①:学資保険の一括払いで生じる誤解
- 参考②:一括払いした保険会社が倒産したらどうなる?
- 参考③:返戻率の高さを求めるなら、ドル建て終身保険もおすすめ
- まとめ:学資保険の一括払いは「払込免除」「返戻率」を意識!
目次
学資保険を一括払いするメリット・デメリットを比較
- 一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がある
- 一括払いのメリットとデメリット
- 一括払いができるおすすめ学資保険のランキング
- 「月払い」と「一括払い」はどちらがよいか
一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がある
- 一時払い
- 全期前納払い
の2種類があることはご存じでしょうか。どちらも一括払いと呼ばれるものでありながら異なる部分も多く、支払方法を検討する際には注意が必要です。
まず一時払いとは、契約者が全期間分の保険料を一度に支払うことです。保険会社が保険料を受け取り、支払いは終了となります。一般的に「一括払い」と言ってイメージされるのはこのあり方かもしれませんね。
一方で全期前納払いとは、契約者が全期間分の保険料を払うところまでは同じなのですが、一旦保険会社が保険料を預かり、毎月、その中から保険料として充当されていくという仕組みです。
学資保険の全期前納と一時払いのメリット・デメリット比較
一時払い | 全期前納払い | |
---|---|---|
払い込む保険料の総額 | 全ての払い込み方法の中で最も安い | 一時払いよりは高いが、年払いや月払いよりも安い |
死亡時や中途解約時の保険料の返還 | 返還されない | 返還される |
生命保険料控除 | 保険料を払った最初の年のみ可能 | 払い込み期間中毎年可能 |
- 保険料の総額が最も安い
- 返戻率が高い
- 死亡・中途解約時の残りの保険料が戻ってこない
- 生命保険料控除が1度しか受けられない
- 死亡・中途解約時に残りの保険料が戻ってくる
- 生命保険料控除が毎年受けられ、節税効果がある
- 保険料の総額が一時払いよりも高い
- 返戻率が一時払いよりも低い
学資保険の保険料を一括払いするメリット!
上で一時払い、全期前納払いのそれぞれのメリットやデメリットをご紹介しましたが、ご理解いただけたでしょうか。
契約者にとってはどちらの場合もまとまったお金を一度に払うわけなので、それなりのメリットがないとなかなか決断できませんよね。
以下では、学資保険の保険料を一括払いした場合のメリットについて、より詳しくお伝えしていきたいと思います。
どのようなメリットがあるか、しっかり確認してみてくださいね。
返戻率が高くなる
最初のメリットは、なんといっても一括払いにすると他の支払い方法よりも返戻率が高くなるということです。
これは、保険会社にとっても、毎月少額の保険料が長期に渡って払われるよりも、最初にまとまったお金が払い込まれる方がその後の運用が効果的にできるという背景があるからです。
例として、明治安田生命の「つみたて学資」で、保険料を毎月払う場合と加入時に一括払いする場合の返戻率を比較してみましょう。
保険契約I型、契約者は男性25歳、お子さんは0歳、21歳満期で総額300万円(基準保険金額75万円)と200万円(基準保険金額50万円)の場合です。
保険料払い込み期間 | 総額300万円(基準保険金額75万円) | 総額200万円(基準保険金額50万円) |
---|---|---|
10歳まで | 105.8% | 104.8% |
15歳まで | 104.3% | 102.9% |
加入時に一括払い | 109.0% | 108.0% |
10歳までと一括払いの差 | 3.2% | 3.2% |
15歳までと一括払いの差 | 4.7% | 5.1% |
いかがでしょうか。最も一括払いとの返戻率の差が大きいのは、総額200万円で15歳までの払い込みにした場合で、その差は5.1%となっています。
そう考えると、もし家計に余裕があるのであれば加入時に一括払いする方が、断然お得ですよね。
払込保険料総額が安くなる
次のメリットは、一括払いの方が払い込む保険料の総額が安くなるということです。
わかりやすいように、上の返戻率と同じ条件でそれぞれの保険料の総額を比較してみます。
保険料払い込み期間 | 300万円(基準保険金額75万円) | 総額200万円(基準保険金額75万円) |
---|---|---|
10歳まで | 2,834,760円 | 1,907,880円 |
15歳まで | 2,874,600円 | 1,943,460円 |
加入時に一括払い | 2,749,776円 | 1,851,139円 |
一括払いと10歳までの差額 | 84,984円 | 56,741円 |
一括払いと15歳までの差額 | 124,824円 | 92,321円 |
いかがでしょうか。
総額200万円では、10歳と一括払いでは56,741円、15歳では92,321円の差が、総額300万円ではさらにその差は、10歳と一括払いでは84,984円、15歳では124,824円にも広がっているのがわかります。
学資保険の保険料を一括払いするデメリット
しかし同時に、一時払いにすることで発生するデメリットもあります。
デメリットは大きく分けて下記の3つです。これから詳しく見ていきましょう。
- 払込免除特約が適用されない
- 生命保険料控除の適用が、支払った年のみとなる
- 中途解約した場合の損が大きい
デメリット1:払込免除特約が適用されない
デメリット2:生命保険料控除が支払った年しか適用されない
- 子ども:0歳
- 学資保険料:月5,000円
- 所得税の生命保険料控除額:35,000円
- 住民税の生命保険料控除額:28,000円(一律額)
- 所得税の生命保険料控除額:40,000円(一律額)
- 住民税の生命保険料控除額:28,000円(一律額)
デメリット3:途中解約した場合大きく損をする
学資保険は結局「月払い」と「一括払い」はどっちがいいの?
ここまで、一括払いのメリットとデメリットを中心によりよい支払方法を考えてきました。
まとめると、一括払いと月払いの比較要素としては
- 払込免除特約
- 返戻率
- 解約時の元本割れのリスク
- 生命保険料控除
の4つです。
しかし、考えるところは「払込免除特約」と「返戻率」だけで良いでしょう。
払込免除特約は学資保険の最大のメリットです。
親に万が一のことがあった場合にも子どもの教育資金を確保するという「安心」を積み立てていけるのです。預貯金などと比べた時の学資保険の強みもここにあります。
返戻率については、当たり前ですが高いに越したことはありません。
特に預貯金の利息がほぼ無いに等しい現代、保険には少しでも高い返戻率を期待したいものです。
学資保険は確実性が高い代わりに全体的に返戻率が高くないものですが、支払方法で差があるのですから賢く見極めたいところですね。
下2つの項目をあまり重要でないとした理由は、中途解約に関しては、どの支払い方法を選んでも元本が割れることがほとんどだからです。
ただ、一括払いは契約期間が5年~7年を超えれば、少しはプラスになって解約金が入る可能性が高いので、マイナス期間は一番短いと言えます。
また生命保険料控除も、多くのご家庭では他の生命保険で控除額いっぱいまで適用されていて、学資保険で補っている人はあまりいません。
参考①:学資保険の一括払いで生じる誤解
ここでありがちな勘違いの例をご紹介します。
Aさんは5年前に子どもの学資保険を契約し、支払方法に一括払いを選びました。もちろん、保険料は契約した年に全額支払い済みです。
しかし、毎年保険会社から送られてくる生命保険料控除用の通知には年払いとして記載されています。
支払い済みの額も、あたかも年払いしたかのように1年分ずつ加算されているのです。
これは手続き上のミス?と、Aさんは不安になっています。
ここまでお読みいただいたのなら、もうお分かりですね。Aさんが選択したのは全期前納払いだったのです。
保険料を一括で支払ってはいますが、一旦保険会社が預かり年単位で支払いを充当しています。
充当したそれぞれの年に生命保険料控除が受けられるため、通知にはそのように記載されていたのです。
参考②:一括払いした保険会社が倒産したらどうなる?
一括払いにまつわる事例をもうひとつご紹介します。
Bさんは学資保険の加入を検討中です。支払方法は返戻率のお得な一括払いにしようと考えています。
しかしふと、加入した保険会社がもしも倒産した場合どうなるのかと不安になりました。支払った保険料はまったく返ってこないのでしょうか。
結論から申し上げると、全額ではありませんが保護されます。
実は、生命保険と損害保険には、それぞれ保険契約者保護機構が設置されています。
保険会社が経営破綻した場合に、保険に加入している人を保護することが目的です。
この保護機構によって用意される積立金を責任準備金といいます。
正確には保険金とイコールではないのですが、この責任準備金によって、受け取る予定だった保険金のうち最低でも90%は保護される仕組みとなっています。
参考③:返戻率の高さを求めるなら、ドル建て終身保険もおすすめ
学資保険を選ぶにあたって最も気になるのは、払込免除特約と返戻率の高さであることをお伝えしましたが、これらのうち、返戻率の高さにフォーカスするのであれば、ドル建て終身保険という選択肢もあります。
ドル建て終身保険とは、保険料や保険金を円でなくドルで設定している保険のことです。他にも外貨がある中でドル建てがおすすめなのは、アメリカの経済力によりドルの流通量が多く安定していること、為替レートの影響を比較的受けにくいことなどがその理由です。
また、ドルは円よりも相対的に金利が高い傾向にあり、為替の差によるリターンを期待することができます。
具体的に考えてみましょう。
例えば、1ドル=100円のレートであったものが、保険金を受け取る際に、1ドル=110円の円安ドル高になっていれば、当初より高いレートの保険金を受け取ることができるというものです。
もちろん、逆の円高ドル安になる可能性も0ではありません。
しかしながら、終身保険のように長期にわたって続けている場合、このリスクは分散・軽減されていきます。
いずれにしてもリスクは伴いますが、返戻率の高さを優先するのであれば、ドル建て終身保険は選択肢として検討してみるのもよいかもしれません。
まとめ:学資保険の一括払いは「払込免除」「返戻率」を意識!
学資保険の一括払いについて、デメリットにも注目しながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事のポイントは
- 一括払いには「一時払い」と「全期前納払い」の2種類がある
- 一括払いのメリットは、払い込み保険料の総額が安いので、返戻率が高くなる
- デメリットは、一度にまとまった保険料を払わなくてはならない、途中解約した場合の損が大きい
「月払い」と「一括払い」の選択のポイントは、払込免除特約の有無と返戻率の高さをどう考えるか
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