65歳以上は介護保険料が給与天引きから年金天引きに変更される

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65歳以降働きながら年金を受け取る際、給与から天引きされていた社会保険や介護保険について注意すべき点がいくつかあります。「天引きされなくなる保険料」についてや「これまで保険料負担がなかった扶養している配偶者の健康保険料」はどうなるのでしょうか?今回の記事では65歳以降に行なうべき手続きや変更点など解説しますのであらかじめおさえたうえで安心して65歳を迎えましょう。

監修者
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。

65歳以上の給与を受けている人の介護保険料と手続きとは

65歳以上で給付を受けている人の介護保険料は、年金から天引きされます。

介護保険の支払方法は変更されますが、特別な手続きは不要です。

通常65歳になってすぐに、保険料の天引きがされれるわけではなく、お住まいの市区町村から送付される納付書もしくは、口座振替で納付します。

介護保険の他にも、給与をもらっている65歳以上の方が知っておくべきことを以下で解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。

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社員が65歳以上になった場合に知っておきたいポイント

65歳以上になった場合に知っておきたいポイントを以下にまとめました。

  1. 60歳未満の扶養の配偶者がいる場合
  2. 65歳以降も厚生年金に加入している場合
  3. 配偶者の公的医療保険は変更されない
  4. 介護保険料の給与から天引きがなくなる

65歳以上になると、本人だけでなく被扶養配偶者の社会保険も変更するため、正確に把握しておく必要があります。

それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント1:60歳未満の扶養の配偶者がいる場合

65歳を迎えると、被扶養配偶者は国民年金の第3号被保険者の要件を満たさなくなるため、第1号被保険者に切り替わります。

第3号被保険者から第1号被保険者に切り替わると、自ら国民年金保険料を納付しなければなりません。

加えて、第1号被保険者になった場合には、住所地の市(区)町村に第1号被保険者への種別変更届を提出する必要があります。

種別変更の届出をしないと、年金額が減額となる可能性や金受給資格期間がなくなり無年金者となる可能性があるため、必ず提出するようにしましょう。

ポイント2:65歳以降も厚生年金に加入している場合

65歳以降も厚生年金に加入し続けている場合、給与がこれまでと同じであれば厚生年金保険料も変わりません。(※給与の変更に応じて厚生年金保険料も変更される)

そのため、厚生年金を支払いながら年金を受け取ることになります。


一見収入が増えるように感じますが、給与と老齢厚生年金の合計が月50万円を超えると、支給停止額が発生するため、確認が必要です。


支給停止額は、(給与+老齢厚生年金-50万円)÷2で計算できます。


例えば、月額の給与が50万円で老齢厚生年金が12万円の場合、62万円(給与+老齢厚生年金)-50万円(支給停止基準)=12万円となり、その半分の6万円は支給停止対象です。


このように給与が高い方の場合、本来もらえるはずの年金を受け取れない可能性があるため、支給停止額を計算したうえで厚生年金に加入し続けるか判断しましょう。


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ポイント3:配偶者の公的医療保険は変更されない

65歳になった後でも、配偶者の公的医療保険は変更されません。


65歳以上から前期高齢者医療制度の対象となりますが、加入する健康保険は同じになります。


前期高齢者医療制度とは、65歳~74歳の方を対象とした、被用者保険、国民健康保険の間で医療費負担を調整する制度です。


75歳(後期高齢医療制度)になるまで、被扶養者の保険料も賄われているため、配偶者の健康保険は維持されるということになります。

ポイント4:介護保険料の給与から天引きがなくなる

65歳になると介護保険料の支払いは、給与から天引きではなく年金からの天引き(特別徴収)に切り替わります。(※年間の年金受給額が18万円以上の場合に適用)


なぜなら、介護保険の被保険者区分が「第2号被保険者」から「第1号被保険者」に変更されるためです。


厚生労働省のデータによると、それぞれの介護保険の平均基準額は、第1号被保険者6,014円(令和3~5年度)、第2号被保険者6,276円(令和6年見込額)となっています。※


ただし第1号被保険者は、市区町村が決めた保険料を自己負担するため、収入が多いと負担額が増えることがあります。


※参照:令和6年度介護納付金の算定について|厚生労働省

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65歳以上の本人の社会保険の変更点の介護保険料とその他の社会保険の変更点とは

65歳以上になると介護保険だけではなく、さまざまな社会保険が変更します。

変更される社会保険は以下のとおりです。

  • 第1号被保険者へ変わる介護保険
  • とくに変更手続きは必要の無い厚生年金保険
  • 老齢基礎年金に変化する国民年金

社会保険の変更により、支払い方法の変更や支払額が異なることがあります。


それぞれ詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。


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第1号被保険者へ変わる介護保険

65歳になると、介護保険が第1被保険者に変わります。

介護保険の区分は、65歳以上の第1号被保険者と40歳~64歳までの第2号被保険者の2つです。

介護保険料の支払いは40歳から始まり、65歳になると年金から天引きされます。

第1号被保険者の場合、保険者ごとに設定する保険料基準額に対して、所得に応じて設けられた倍率を支払うため、所得が多い方は負担が大きくなるかもれません。

介護サービスを利用するためには、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にて申請し、要介護認定を受ける必要があります。

とくに変更手続きは必要の無い厚生年金保険

厚生年金保険については、変更手続きはありません。

厚生年金保険は70歳まで加入でき、引き続き給与から天引きされます。

しかし、65歳になる以前に特別支給の老齢厚生年金を受け取っている場合には注意が必要です。


65歳になると、特別支給の老齢厚生年金から通常の老齢基礎年金と老齢厚生年金に移行します。


この際、新たに「年金請求書」を提出する必要があります。


請求書は誕生月の初め頃に日本年金機構から送付されるため、誕生月の末日までに提出しなければなりません。


提出が遅れると、年金の支払いが一時保留される可能性があるため、必ず提出しましょう。


老齢基礎年金に変化する国民年金

65歳になると、これまで支払っていた国民年金を「老齢基礎年金」という形で受け取れるようになります。

老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上ある人が、65歳から受け取れる年金です。

年金額は、20歳から60歳までの国民年金の加入期間に基づいて計算されます。

さらに、サラリーマン、公務員、専業主婦として加入していた期間も老齢基礎年金の計算に含まれます。

令和6年度の老齢基礎年金の満額は年間816,000円(月額68,000円)です。

長年の加入期間に応じて、老後の生活に一定の収入が得られるようになっています。

65歳を迎えた本人の被扶養配偶者の変更点

65歳を迎えた本人の被扶養配偶者の変更点は以下のとおりです。


  • 被扶養配偶者が65歳になるまで賄ってもらえる介護保険
  • 第3号被保険者から第1号被保険者に変わる国民年生のワケとは
  • 配偶者が75歳になるまで継続される健康保険

被扶養配偶者の社会保険についても変更点があるため、確認しておく必要があります。

それぞれ解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。

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被扶養配偶者が65歳になるまで賄ってもらえる介護保険

介護保険の被扶養者である40歳〜64歳までの配偶者の場合、介護保険料は会社に勤める40~64歳の第2号被保険者全体で賄うため、被扶養者本人が介護保険料を納めることはありません。

健康保険と同じく、被扶養の配偶者が先に65歳以上にならない限り、被保険者が65歳を迎えても介護保険は賄ってもらえます。

第3号被保険者から第1号被保険者に変わる国民年生のワケとは

被扶養配偶者とは、従業員である第2号被保険者と配偶関係にあり、かつ20歳以上60歳未満の場合において国民年金の第3号被保険者を言います。

それまでの保険料は、従業員である第2号被保険者が給与より納める保険料で賄われていましたが、従業員が65歳以上だと、国民年金の被保険者ではなくなるため、60歳未満の配偶者は第1号被保険者へと変更になります。

第1号被保険者になると、自分で保険料を納めなくてはなりません。この場合、住んでいる市区町村の役所にて第1号被保険者への手続(種別変更)を配偶者本人で行う必要があります。

配偶者が75歳になるまで継続される健康保険

健康保険は従業員が75歳になるまで継続されます。

被扶養配偶者の保険料は被保険者全体の保険料で賄われているので、配偶者が被保険者より先に75歳にならない限り、従業員が65歳以上でも配偶者の健康保険は75歳まで継続されます。

気をつけておくべき誕生日が「1日」の人の注意点


社会保険では誕生日当日を1日目として起算します。

そのため、「○歳になった日」とは「誕生日の前日」をさします。つまり、「65歳に到達した日」とは「65歳の誕生日の前日」にあたるのです。


月をまたぐ場合は、例えば1日に生まれた人の場合には、誕生日の前日が誕生日とは異なる月になるため、注意が必要です。

健康保険・介護保険・厚生年金保険(国民年金)では、「当月分の給与から前月分の保険料を天引きする」というケースをとります。具体例にて考えてみると、5月1日に65歳の誕生日を迎える人は、前日の4月30日が65歳到達日になると言うことです。


保険料は65歳に到達した月の給与分から天引きされなくなるため、この場合、4月分から保険料の控除がなくなります。一方、5月2日が誕生日の人は65歳到達日は5月1日になり、保険料の控除中止も5月分からと言うことになります。


給付面でも同じです。

老齢年金は「65歳に到達した日」に受給権が発生し、その翌月から実際に支給がスタートします。

ここでも、5月1日生まれの人は4月30日に受給権が発生し、4月から年金の支給が始まるのに対して、5月2日生まれの人は5月1日に受給権が発生し、年金の支給は5月からとなります。

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