更新日:2020/05/24
住宅ローン契約時の火災保険を銀行で加入するメリットって?
銀行で住宅ローン組んだ場合火災保険の加入は必須ですが、銀行での加入は義務付けられていません。銀行で火災保険に加入するメリットは、団体扱いとなり団体割引が適用される、加入手続きが簡単等が挙げられますが、銀行は保険のプロではないためにデメリットも存在します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
住宅ローン契約時の火災保険を銀行で加入するメリットとは?
火災保険に加入する場合、どこで契約すればいいか迷ってしまう人は多いと思います。
できるだけ簡単に、かつお得に契約できたら嬉しいですよね。
実は、銀行で住宅ローンの借り入れをする際、同時に火災保険に契約できる場合があるのです。そこでは、どんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
この記事では、
- 銀行で火災保険に加入する2つのメリットと2つのデメリット
- 住宅ローン借入時に火災保険へ加入することは任意
- 保険代理店・直販・不動産会社でも可能な保険契約
- 損保会社のHPでシミュレーションできる保険料見積もり
について、解説していきます。
この記事を読んでいただければ、銀行で火災保険に加入する際のメリット・デメリットが分かり、他にどんな方法で保険加入できるのか理解に役立つと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
火災保険を銀行で加入するメリット
火災保険を銀行で加入するケースとして多いのは、住宅ローンの契約と一緒に勧められる場合です。
銀行は住宅ローン利用者に対して、専用の火災保険を設けていることが多く、その火災保険に加入すると、団体割引によって保険料が安くなる特典を受けられます。
また、住宅ローン手続きと同時に火災保険の申し込みができるため、一つの場所で完結でき、時間と手間を省略できます。
ここでは、以下の内容について詳しく説明していきます。
- メリット①団体割引などの特典が適用される
- メリット②加入手続きが簡単
銀行加入のメリット①団体割引などの割引特典が適用される
銀行は住宅ローン利用者に対して、専用の火災保険を設けていることが多いです。その火災保険に加入すると、団体割引が適用されて、個人で申し込むよりも保険料が5~10%程安くなるメリットがあります。
銀行で住宅ローンを新規に借りる人や借り換えをする人は、その銀行に利用者専用の火災保険があり、団体割引が用意されているか確認すると良いでしょう。
団体割引が適用される火災保険は、以下に挙げる通り、大手都市銀行からネット銀行まで多くの銀行が設けています。
- みずほ銀行「みずほ住宅ローン用火災保険」
- 三菱UFJ銀行「住宅ローン専用火災保険」
- 三井住友信託銀行「GK すまいの保険(ローン団体扱用)」
- イオン銀行「火災保険(住宅ローン利用者専用)」
- 住信SBIネット銀行「住まいの保険(SBI損保)」
- auじぶん銀行「タフ・すまいの保険」
銀行加入のメリット②火災保険の加入手続きが簡単
銀行を窓口として火災保険に加入する際のメリットして考えられるのは、申し込み手続きが簡単に行えるという点です。
すでに家が建っている場合などは、引っ越しの用意などで忙しく、銀行の他に保険会社や保険代理店に行って火災保険の内容を検討する時間がなかなかとれないこともあるでしょう。
その点、銀行が火災保険加入の窓口になっていれば、手続きは一か所ですむので便利です。
また、保険の内容に疑問があった場合にも問い合わせ先は同じなので、面倒がありません。
火災保険を銀行で加入するデメリット
火災保険を銀行で加入する際、勧められる商品は基本的な補償がパッケージされたものが多く、必要な補償と不要な補償を自由に選択できないようになっています。そのため、必要な補償を組み合わせて、オーダーメイドの保険に加入したい人は不満を感じるかもしれません。
また、銀行員は火災保険のプロではないため、専門知識や経験が乏しいスタッフが担当になる可能性があります。その場合、適切な補償を提案してくれなかったり、不要な補償を勧めてくることも考えられるため、注意が必要です。
ここでは、以下の内容について詳しく説明していきます。
- デメリット①プランの選択肢が少ない
- デメリット②銀行員は保険のプロではない
銀行加入のデメリット①プランの選択肢が少ない
銀行からすすめられる保険会社の火災保険には、基本的な補償をパッケージにした商品が多くみられます。
そのため、補償プランの選択肢が少ない、というデメリットがあります。
火災保険には、単に火災による損害を補償するだけではなく、風水害による被害や、自宅から失火し、近隣住宅に損害を与えた場合の費用の補償など、様々な特約があります。
しかし、これらの特約はパッケージ化した商品には付帯されていなかったり、付帯されていたとしても必要のない補償であったりすることがあるのです。
火災保険は事故が起きた時の備えですから、加入の際には必要な補償と必要でない補償を見極めることが大切です。
パッケージ商品は、補償内容がパターン化されているため、その点で不安が残ります。
銀行加入のデメリット②銀行は保険のプロではない
銀行員は保険のプロフェッショナルというわけではありません。そのため、火災保険に詳しくない人が担当になった場合、契約者のニーズに合う補償内容を提案できなかったり、不要な補償を勧めてくることも考えられます。
火災保険の契約では、建物の価値を把握して、適切な保険金額を設定することが大切です。一般的に、保険金額は建物の新価(新しく建て直すための価額)で評価された金額を設定することが多いです。そして、補償範囲をどこまでにするか、家財の補償はどうするかなどの検討も必要になります。
これらの知識や経験が不十分な担当者だと、火災保険の正しい契約ができず、いざという時に保険金を上手く役立てられないことも考えられるため、注意が必要です。
住宅ローン契約時の火災保険は必ず銀行で加入する必要はない
銀行で住宅ローンを借りる際、一緒に火災保険に加入することを勧められるかもしれませんが必ずしも加入する必要はありません。断ったことが原因で住宅ローンの融資が不利になることもありません。
そもそも、銀行は住宅ローンを融資するにあたり、火災保険の契約をその条件とすることは保険業法で禁止されている「抱き合わせ販売」に該当するため、認められていません。
実際、銀行のホームページやパンフレットでは、「火災保険へのお申し込みはあくまでお客様の意思決定によるものです」「お客様がお申し込みをしなくても、他のお取引に影響を及ぼすことはありません」などの記載がされているので、確認しておきましょう。
銀行で勧められた火災保険と他で契約する場合の保険料・補償内容などを比較検討し、メリットの大きい方の火災保険に加入するのがおすすめです。
参考:住宅ローン契約で火災保険の加入が銀行でされる理由
銀行で住宅ローンの契約をする際、併せて火災保険に加入できる理由は、質権設定の名残が原因と考えられます。質権設定とは住宅ローン等の借入金の担保として、火災保険の保険金を請求する権利に対して質権を設定することです。
銀行は質権設定を行うことにより、万が一、住宅ローンの対象物件が火災などで無くなってしまった場合でも、債権保全(債権の回収を確実に行うための各種方策)で優先して保険金を受け取れます。しかし、近年は質権設定してもあまり債権保全に繋がっていないのが実情です。
また、質権設定を行うことで事務・管理コストがかかったり、返済期限まで支払われるはずの利息が受け取れないなどのデメリットもあるため、ほとんどの銀行は質権設定を行わないようになっています。
銀行以外で火災保険に加入する方法
火災保険の保険会社ごとに保険料の見積もりをしよう
損害保険会社のホームページでは、火災保険料の見積もりシミュレーションができます。
建物の情報・地域・居住形態・家財の補償などを指定すると、補償プラン名・保険料・補償内容などが表示されます。
火災保険料の見積もりができる以下3社の損保会社をご紹介します。
①損保ジャパン「個人用火災総合保険 THEすまいの保険」
補償プランは補償範囲の広い順に、ベーシック(Ⅰ型)・ベーシック(Ⅱ型)・スリムの3種類があります。
②ソニー損保「新ネット火災保険」
補償の組合せを自由に選べて、ニーズに応じたオリジナルな保険を形成できます。補償は火災等(必須)・風災等・水濡れ等・盗難・個人賠償など、8種類から選べます。
③セコム損害保険「セコム安心マイホーム保険」
補償プランは補償範囲の広い順に、ワイドプラン・ベーシックプラン・スリムプランの3種類があります。
まとめ:火災保険は銀行ではなく保険会社で加入しよう
銀行で火災保険に加入するメリットとデメリットについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 銀行加入のメリットは団体割引の適用や手続きが簡単なこと
- 銀行加入のデメリットは商品の選択肢が少なく、保険のプロではないこと
- 銀行で住宅ローン借入時に火災保険へ加入する必要はない
- 保険代理店・直販・不動産会社でも火災保険に加入できる
- 損保会社のHPで保険料見積もりをシミュレーションできる
でした。
銀行で住宅ローンの借り入れをする際、同時に火災保険に加入を勧められることがありますが、必ずしも加入する必要はありません。
ご紹介したメリットとデメリットを把握して、どこで加入すべきか検討するのが良いでしょう。損保会社の直販や代理店で加入するのもおすすめです。
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