更新日:2020/07/27
個人賠償責任保険は子供が怪我させた時や喧嘩した時に補償されるの?
子供が怪我をさせたり、石を投げて車に傷をつけた時に補償してくれる個人賠償責任保険ですが、他にどういった場合に個人賠償責任保険が適用されるのでしょうか。子供の故意ではない場合でもどういった事故に対して補償できるのでしょうか。本記事では個人賠償責任保険がどんなものなのかご紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 子供の事故に対して個人賠償責任保険はどんな場合に補償されるの?
- 個人賠償責任保険で子供の日常の事故に対する補償ができる
- 子供が他人の身体や物に損害を与えた時の補償
- 子供の個人賠償責任保険でも補償されない場合もある
- 個人賠償責任保険では一人の契約で同居している家族が補償対象に
- 子供が起こした事故や損害で親が監督責任を負うことになる
- 子供におすすめの個人賠償責任保険に入る方法
- 子供に対して自転車保険に入る
- 自動車保険や火災保険の個人賠償責任特約に入る
- 共済やクレジットカードの個人賠償責任保険付帯に加入
- 子供が個人賠償責任保険に入るにあたっての注意点
- すでに個人賠償責任保険に入っている可能性がある
- 補償額は無制限か1億円以上のものに
- 火災保険などの特約には示談交渉がついていない場合が多い
- 実際に個人賠償責任保険や自転車保険に入られた方の声
- まとめ:個人賠償責任保険で子供も含めてもしもの時に備えましょう
目次
子供の事故に対して個人賠償責任保険はどんな場合に補償されるの?
子供が石やおもちゃをを投げて怪我をさせてしまったり、傷をつけてしまった時、個人賠償責任保険は適用されるのでしょうか。子供の不注意で起こってしまったい事故とはいえ、被害具合によっては多額の賠償責任が必要となる場合もあり、不安に思われるでしょう。
怪我や破損など、全てを個人賠償責任保険で補償されるわけではないので、しっかりと理解しておくことが大切です。特に、自分が怪我を負って治療費がかかった場合やその後働けなくなってしまった場合の補償としては利用できません。
この記事では、
- 個人賠償責任保険の補償内容
- 個人賠償責任補償は、子供や家族にも適用されるのかどうか
- 子供が起こした事故に対する賠償責任例
- 個人賠償責任保険の加入方法、注意点
について、詳しく解説します。
子供による事故の補償について、心配に思われるポイントを中心に解説します。ぜひ最後までチェックしてみてください。
個人賠償責任保険で子供の日常の事故に対する補償ができる
個人賠償責任保険とは、賠償金支払いや弁護士費用などをカバーするための保険です。
日常生活で起こる「他人に怪我をさせてしまった」、「モノを壊してしまった」などの身近なトラブルが対象となります。
火災保険や自動車保険の特約として付帯されていることも多く、補償内容まで詳しく把握されなていないのが一般的です。次項以降では、
- 他人の身体や物に損害を与えた時の補償例
- 個人賠償責任保険で補償されない場合
について、より具体的な事例を出しながら解説します。万が一の場合に焦ることのないように、ぜひ一度チェックしてみてください。
子供が他人の身体や物に損害を与えた時の補償
個人賠償責任保険で補償されるケースは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?例えば、
- 買い物中にカバンがぶつかり陳列棚から商品を落とし、壊してしまった。
- ペットが他人を噛んで怪我をさせてしまった。
- 野球の練習中に、隣家の窓ガラスを壊してしまった。
- ベランダから鉢植えが落ち、通行人や車に傷をつけてしまった。
- 自転車で通行人をはねてしまった。
- マンションの水漏れで下階の部屋が水浸しになってしまった。
- お友達の家に遊びに行った子供が、テレビや家具を壊してしまった。
など、どれも身近に起こりうる、ありとあらゆるトラブルが対象です。
(参考:日本損害保険協会 個人賠償責任保険)
被害状況によっては高額な賠償金請求となるため、個人賠償責任保険で備えるのが安心です。
子供の個人賠償責任保険でも補償されない場合もある
日常のトラブルに備える個人賠償責任保険ですが、補償対象外となるものもあります。例えば、
- 故意に怪我や破損を起こした。
- 自動車運転中に人身事故を起こしてしまった。
- 子供がお友達と喧嘩をし、相手に怪我をさせてしまった。
- 友人から預かった・借りたものを壊してしまった。
- ネットの匿名書き込みにより、他人の名誉を傷つけた。
などがあります。
その他にも、自身が怪我をしてしまった場合の医療費や、その後働けなくなった場合の収入補償などは適用外です。個人賠償責任保険ではなく医療保険や生命保険で備えておくようにしましょう。
個人賠償責任保険では一人の契約で同居している家族が補償対象に
個人賠償責任保険の補償範囲は、「家族全員」が基本です。家族の範囲は、
- 記名被保険者本人と配偶者
- 記名被保険者と同居し、生計を共にする親族
- 記名被保険者と別居し、生計を共にする子
となります。
つまり、家族のうち一人が契約していれば、同居している祖父母や、仕送りしている下宿先の大学生なども補償対象とすることが可能です。万が一の事故やトラブルを避けるのは難しいですが、お金の心配をしなくてもいいのは、心強いでしょう。
子供が起こした事故や損害で親が監督責任を負うことになる
民法上、未成年の子供や認知症の高齢者などが起こした事故・トラブルについては、両親や親族が監督義務を怠ったとして、本人に代わって賠償請求される場合があります。過去事例では、
- 子供が自転車で女性と衝突。女性は頭蓋骨骨折により寝たきりとなった。
- 子供が弓矢で遊んでいる最中に誤って目に命中し、失明してしまった。
- サッカーのフリーキックにより道路にボールが飛び出たことで、避けようとした通行人が転倒
などが挙げられます。
特に注目すべきは、最初の事例です。子供の事故であっても監督不行き届きとして、両親に対して9,000万円以上もの賠償金支払の判決が出ています。1家庭の貯金を大きく超える賠償金額であり、個人賠償人保険の重要性が理解いただけるでしょう。
子供におすすめの個人賠償責任保険に入る方法
個人賠償責任保険に加入するには、どのような方法があるのでしょうか?単独で加入するものではなく、
- 自転車保険を契約する
- 火災保険や自動車保険の特約を付加する
- 共済やクレジットカードの個人賠償責任保険付帯に利用する
などの方法で加入します。
次項以降では、上記それぞれの加入方法や注意点を説明しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
子供に対して自転車保険に入る
自動車事故と同じように、自転車による事故も被害者に対して大きな損害を与える可能性があります。特に乗り慣れていなかったり、前方不注意による子供による自転車事故は注意が必要です。
一部の地方自治体では、個人賠償責任補償を目的に自転車保険への加入を義務付けており、東京都も2020年4月から正式に義務化がスタートしました。
自転車保険は比較的掛け金も安く、家族全員分の個人賠償責任保険を用意することが出来ます。現在自転車は日常的に使う方で、個人賠償責任保険に未加入の場合は、ぜひ保険加入を検討してみるのが良いでしょう。
自動車保険や火災保険の個人賠償責任特約に入る
自動車保険や火災保険に個人賠償責任特約を付加する方法もあります。主契約の申込時にセットで付加するだけなので、手続きも簡単です。
注意点は、自動車を手放したり、引越ししたりと主契約が解約される時は、個人賠償責任保険も一緒に解約となる点です。補償期間が途切れることのないように、定期的に保険の見直しをしておきましょう。
また、実損害額分しか保険金を受け取ることが出来ない点も注意が必要です。2つ以上に加入していた場合も、一つの保険だけで補償が賄えた場合は、結果的に保険料が払いムダになってしまいます。
共済やクレジットカードの個人賠償責任保険付帯に加入
県民共済やJA、生協などの共済保険で個人賠償責任保険付帯を付けている場合や、所有しているクレジットカードに自動付帯・オプション付帯する場合もあります。
特にクレジットカードの場合は、プラチナカード以上では自動付帯となっているのが一般的です。知らないうちに重複加入となっている可能性もあるので、心あたりがあれば一度見直してみるのがおすすめです。
また、自動車保険・火災保険と同じように、解約・期間満了に伴い、個人賠償責任保険が一緒に解約されることもあります。補償の空白期間が出来ないようにすることも大切です。
子供が個人賠償責任保険に入るにあたっての注意点
個人賠償責任保険に加入する場合の注意点を改めて整理しましょう。次項以降で、
- 知らないうちに個人賠償責任保険に加入している可能性がある
- 補償額は無制限か1億円以上のものに
- 火災保険などの特約には示談交渉がついていない場合が多い
について、詳しく解説します。
新規加入を検討されている方も、加入済みの保険見直しを検討している方も、ぜひ最後までチェックしてみてください。
すでに個人賠償責任保険に入っている可能性がある
個人賠償責任保険は「実損害額補填」となるので、重複加入は保険料の払いムダとなる可能性があるので、注意しましょう。
前述した通り、個人賠償責任保険は、
- 自動車保険
- 火災保険
- 共済保険
- クレジットカード(原則プラチナカード以上)
に、付加することができます。加入したことを失念していたり、自動付帯だったりで、うっかり2つ以上の保険に重複して加入していたケースは十分に考えられます。
また、家族全員が補償範囲となるのが一般的です。誰かが保険加入しているのであれば、補償としては十分なので、一度家族の保険も含めてチェックしてみるといいでしょう。
補償額は無制限か1億円以上のものに
補償額の設定についても注意が必要です。過去には、子供の自転車事故により9,500万円もの賠償金請求となった事例も存在します。
万が一の事故・トラブルが発生したときに、お金の心配をすることが無いように、補償額は1億円以上、もしくは無制限とするのが良いでしょう。
火災保険などの特約には示談交渉がついていない場合が多い
万が一の事故・トラブルが発生した時に、損害賠償請求について被害者本人や弁護士と示談交渉をする必要があります。事故後は誰でも動揺し、正常な判断は厳しい状態にあるでしょうし、示談交渉手続きも煩雑なので、プロにお任せするのが安心でしょう。
自転車保険や自動車保険などには示談交渉サービスが自動付帯されているのが一般的ですが、火災保険の個人賠償補償特約では付加されていない場合が多いようです。万が一の場合に慌てないように、自分の補償内容・付帯サービスの内容はしっかりと確認しておきましょう。
実際に個人賠償責任保険や自転車保険に入られた方の声
実際に個人賠償責任保険に加入された方の口コミを集めました。ぜひ参考にしてみてください。
これは独自の考察ですが、全体的にみて思ったのが
楽天など、安くて補償金のある自転車保険などが人気
また、万が一のために子供や家族で入る方が多い
といったところでしょうか。以下口コミになります。
30代女性
70代男性
まとめ:個人賠償責任保険で子供も含めてもしもの時に備えましょう
子供の事故やトラブルに個人賠償責任保険が適用されるのかどうかについて解説しました。
この記事のポイントは、
- 個人賠償責任保険は子供の事故・トラブルも補償される
- 日常的に起こりうる事故やトラブルの補償に幅広く利用できるのがメリット
- 補償範囲は同居している家族と別居の子どもが対象
- 自動車保険や火災保険、自転車保険、共済、クレジットカードの特約・付帯サービスとして加入することができる
- 実損害額補填なので、重複加入している場合は保険料が無駄になってしまうこともある
- 補償額は過去事例を参考に1億円以上を設定するのが安心
- 示談交渉サービス付きのものがおすすめ
でした。
子供が小さいうちは、どんなに気を付けていても、うっかり事故やトラブルが起こりやすいものです。個人賠償責任保険は、日常の身近なトラブルから補償対象となるので、万が一のお守りとして加入を検討するのが良いでしょう。
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