更新日:2017/10/04
介護保険の住宅改修工事の対象のものと対象外のものの事例紹介
介護保険の住宅改修については対象が決まっており、身体状況に応じて住宅改修を行うとよいです。介護保険対象の工事と認定されれば安い負担で済みます。
一方で、対象外の工事を行うと全額負担となります。
工事が対象か対象外かわかるように具体例を用いてご説明します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
介護保険の住宅改修工事の対象となるものの要件について
介護保険の住宅改修の対象となるものの種類については、厚生労働省が定めた要件があるため要件に合致するものだけが支給対象となります。
同じようなものであっても、福祉用具の対象となるものと住宅改修の対象となるものに細かく分類されています。対象を誤ると保険給付を受けられないため取扱い事業者によく確認する必要があります。
住宅改修工事対象の種類
介護保険の住宅改修工事の対象は次のものが対象となります。
手摺の取り付け、段差の解消、滑りの防止及び移動の円滑化を対象とした床又は通路面の変更、引き戸等への扉の取り替え、様式便器等への便器の取り替え、そのほかこれらに関する付随工事が対象となります。
これらの工事については介護保険の給付対象となります。
住宅改修対象外の工事について
住宅改修工事に近いものであっても、福祉用具の支給対象であることなどを理由として、対象外工事と認定される場合があります。例えば、昇降機、リフト、段差解消機の設置は介護保険の住宅改修費給付の対象外工事となります。このうち、リフトは福祉用具支給対象です。
そのほか、和式便座に腰掛け便座を設置して固定する工事を行っても、福祉用具の支給対象であるため、住宅改修支給対象外となります。
介護保険の住宅改修工事の対象となるものの事例紹介について
介護保険の住宅改修費の支給対象となるものは先に述べた6種類のものです。この中で、段差解消、手摺の変更、扉の取り替え、洋式便座への変更がよく施工されています。
具体的な施工事例については、段差解消と手摺の取り付けの説明と扉の取り替えと洋式便座への変更に分けてご説明いたします。
段差解消と手摺の取り付け
段差解消については、玄関から部分の段差や浴室に入る際の段差を解消する事例が多いです。足が上がりにくく躓き防止のための措置です。
手摺の取り付けについては、風呂、トイレ、階段、玄関先など膝の屈伸が必要となったり、躓いたり、足を滑らせたりする危険性のある場所に設置する事例が多いです。
扉の取り替えと洋式便座への変更
介護保険の住宅改修は、扉の取り替えや洋式便座への変更など大がかりな工事も対象です。扉の取り替えについては、居間やお風呂のドアノブを変えたり、扉を引き戸に変更するなど、力を入れなくてもできる形状に変更するものが多いです。
また、和式のトイレを洋式に変更し、楽な形でトイレを利用する形に変更しています。
介護保険の住宅改修制度の対象外となる工事の事例紹介について
介護保険の住宅改修制度の対象外となる工事があります。動力を使った段差解消機を取り付ける場合や福祉用具の貸与や購入の対象である場合は介護保険の給付の対象外となります。
住宅改修の対象外となれば、工事費用を全額負担することになります。住宅改修工事の対象かどうかよく調べたうえで工事の着工をすることが必要です。
階段にリフトや昇降機を取り付けた場合
リフト、昇降機、段差解消機などの動力を使った器具については、介護保険の住宅改修工事の対象外となります。
リフトについては、福祉用具の対象となっているため、住宅改修工事をしなくても解決方法があります。一方で昇降機や段差解消機は段差解消が目的ではないことが理由です。動力機をつけても段差は変わらないというように、文言が合致しないことが理由です。
福祉用具の支給対象のものに関する工事
また、リフトと同様に福祉用具の対象となるものは、介護保険の住宅改修の対象外となります。具体的には、浴室内の床面にすのこを設置することや和式トイレに腰掛け便座を設置する工事を行った場合です。これらの工事は介護保険の給付の対象外となります。
福祉用具で購入するべきかどうかについては、住宅改修を担当する事業者とよく相談すると誤った工事を行うおそれがなくなるので、よく相談してください。
住宅改修理由書を作成するものとの相談
介護保険を利用する際は、必ず資格を保有するものに相談のうえ、サービスを利用することとなります。介護保険の認定度合いに応じて、受けるべきサービスが大きくことなります。
原則は、20万円の枠を使いきると再度利用することはできません。一度に使いきらず、状況に応じて少しずつ利用もできます。
住宅改修理由書を作成できる対象者について
介護保険の住宅改修にかかる給付の申請には住宅改修理由書の提出が不可欠です。
住宅改修理由書に記載できるものは、住環境コーディネーター2級以上の者、介護支援専門員(ケアマネ)、地域包括支援センター職員、理学療法士、作業療法士などの資格や身分を有する者に限られます。
施工工事は必要に応じて
住宅改修理由書を作成するものが、住宅改修に必要なメニューを検討して工事の施工を行います。しかし、実際の工事においては必要ない可能性の高いメニューも盛り込み、介護保険給付の上限額を使いきるケースも見受けられます。
資格保有者が工事を行うことを推進しても、必要のないものは次回以降に工事を行う旨を伝えるようにした方がよいです。
まとめ
介護保険の住宅改修にはさまざまなメニューがあり身体状況に応じてメニューを選択し有効に活用することが大切です。一方で、知識のないまま誤ったメニューを選択すると、介護保険の支給対象外と判断され、全額自己負担を強いられることもあります。
そういったことが起こらないように資格を保有する専門家とよく相談のうえ無駄のないメニューを選択することが大切です。